ミモザの森のチェシャ猫館
好きなこと好きなだけミモザ☆の日々の想いを綴ります    

「血の婚礼 」広島公演のこと

もうっ、夕べせっせと書いた感想を不注意で消してしまってフテ寝してしまいました~(T-T)
んで、あらためて・・・

このお芝居ね~見ている間、五感が喜んでましたね~!
まるで朗読劇のような感覚がありました。

アンダルシアと聞くと明るい南部の太陽と青い空とオレンジの白い花をイメージしていましたがアンダルシアの土と血のにおいのする舞台。
地縁血縁によるしがらみや古い因習によって翻弄される土に生きる人間たちがそこにあります。

もと恋人同士だった男と女。
男は人を殺してしまい、その後女の従兄妹と愛のない結婚をします。
女が結婚を決めた相手は男に兄を殺された青年。
結婚の当日現れた男は消えない思いを女に告白し女の心は揺れます。
二人は宴席を抜け出し逃げていく。追い詰めたのは花婿である青年で
男と彼は光るナイフを手に対峙しそして男たちは死んでしまうというお話です。

感想が長くなるのでたたみます。追記よりどうぞ






















しかしこのお芝居はストーリーを追っていくのではなくたとえばかき鳴らされる生のギター演奏であったりスパニッシュなダンスであったり、床を踏み鳴らす音・手拍子、そして文語体で語られる詩的で美しい言葉の重なりであったり・・・人物の感情や場面場面の心象風景がそれらによって表現されていくという所に深い魅力がある舞台だと思います。
それらが観ているものの感性にあるときは激しくあるときは切なく響いてきます。

わたしは息を詰めて見入ってしまいました。
森山未来さんの力強いダンスに魅せられ、足を踏み鳴らす音と激しいギターの音色に導かれて世界に入り込んじゃったんですね~^^;
すごいよ、彼のダンス。小さい時からダンスをやっていると聞いてましたがさすがでした。軽々と高くジャンプして着地するとかっこいいんだわ。彼の微笑みのない心の闇に沈む男っぽさも見ものです。
こんなしっかりとした演技の出来る人とは知りませんでした。

登場人物が全員で言葉を語り継ぐところが何度かあるのですがそれがまるで詩や歌のように心地よく響きます。言葉が美しいのです。
「LILIES」で、皆が次第に声を重ねてバリエの詩を朗読する場面がありますよね。
そこがとても好きな場面なのですがそれを思い出しました。

台詞や場面がほどよくそぎ落とされて無駄なそれがひとつもないように感じられました。時にシェイクスピア劇を見ているようでしたよ。
舞台美術はほんとうにシンプルで、幕のように掛けられた何枚かの大きな薄物の布で場面や心象が表現されていました。
それだけで視覚的に想像力に訴えかけることが出来るということに驚きます。
その幕の後ろでもお芝居がされたり新納さんが舞ったりという演出もされているんです。

舞台の色彩は統一されて照明も使って全体的には黒や無彩色のイメージ。
衣装も場面ごとに同系色で作られています。スカートとかベストとか一部に同じ布を使って統一感を持たせているようでした。
結婚式の日は白。それに薄い黄色やベージュをあしらって照明の光をうまく使い視覚的な効果をもたらしていました。
白だけだとベタな感がするんですね。きっとそれを考えてあるのだと思います。
花嫁のベールにあしらわれた薄い黄色は光を受けて輝いているように見え動きにあわせ立体感というか質感がありました。
ただ独り新納さんだけは全身黒です。マントを纏いつば広の黒い帽子をかぶって踊りで表現されるんです。
心の闇や死を象徴する存在でしょう。

印象的に赤色が使われているのは表題の「血」のイメージです。
息子を殺された母親が地面に広がる血に手を染め頬ずりする場面では赤い照明を、死んだ男たちを弔う人たちは黒衣を纏い沈黙のうちに赤い砂を握った手を差し出し血のように流し落とします。
一番感動的だったのは血を赤い花にたとえて暗闇の中にたくさんの赤い花びらが降りしきるシーンでとても耽美的でありました。

周りを固める大人たち(江波杏子・根岸季衣・蔭山 泰・池谷のぶえ)はさすが演技派の実力者ばかりでとても渋く見せてくださいましたね~。安定感と重厚な感がありますよねぇ。
江波さん、貫禄と知らず知らずに漂ってくる迫力がありました。

池谷さんは一瞬私が舞台に出たのかと・・・(^^;)重いお話の中で唯一の明るさと屈託のなさで舞台をやわらげてくださいました。
とてもいいお声でよく通り、気持ちよかったです。声優さんみたい。

ソニンさんは、以前TVドラマで文学座出身の「大地喜和子さん」の役を演じられた時になかなか良くておおっいいじゃん!と一目置いていた方で、この難しい感情の女の役を好演されていました。
恋人を突き放し、自分の従兄妹を薦めて結婚させたにもかかわらずイザ自分が結婚する時になって花婿を裏切って男と逃げたりして結局ふたりの男を死なせてしまう。
その上「わたしは花婿と結婚したかったのにあの男が私をそそのかして私をゆるがせたのだ」などとの給う女なのだ。
ソニンさん自身「嫌な女だ」と受け入れられなかったそうですが、地味なビジュアル(ごめん)で一見少女のようでありながら少し肉感的なところがこの女のもつ魅力となっていたかも。
フラメンコのようなダンスも情熱的でキレがあってよかったです。
土地の因習やしがらみの中で女として生きるしたたかな強さがあったと思います。江波さん相手に堂々と退けてませんでした。

でも皆様申し訳ない!私の眼は新納さんに釘付けでした~~~~♪
でてきた時から眼が離せなくて前で芝居が演じられているのについつい舞台奥や人を縫って踊る新納さんを追ってしまいます。
もうね、美しくも伸びやかな肢体、少し鼻に響く硬めの声、柔らかで表現力溢れる手の動き・・・魅力的なスパニッシュダンスのかっこいいこと!!
踊りは時に激しいのだけれど殆ど息の乱れがないんですよ~。肩で息する様子も見えないです。
私も踊りをやっていますけど踊るときは息を止めてたりするんです。
死をイメージする役だったと思いますが、尾上紫さん演じる屈託のない清純な少女の本能を表わす月との絡みのシーンは官能的でした(ドキドキ、ゾクゾク)ま、死の快楽と性的快楽は同じ線上にあると思ってますけどね。
いや相変わらず素敵でした。眼福眼福・・・

この作品の中では男たちは純情で一途、繊細な感情を持っていますが、女は複雑な想いとしたたかな精神力を持った逞しさが感じられます。
結局生き残った女達は不幸を嘆き悲しみながらも、傷から噴出す血をなめながら地(血)の呪いから開放されて大地を両足で踏みしめ強く生きていくのだろうと思わせてくれるエンディングでありました。

逃亡するふたりが客席通路を使って駆け上がるという演出があったんですよ。階段がすえてあったのでもしかしてと思っていましたら私の横をすごい速さで駆け抜けるものが・・・
ひゃぁぁっ森山さんでしたっ!一陣の風でしたよ、まさに。
カーテンコールでも彼は踊ってくれました。最後はスタンディングオベイションで皆さんを迎えました。今回は自然に立つことが出来たいい舞台でした。


帰り駅に向かうタクシーを拾ったら「前のタクシーに役者さんが乗られましたよ。追っかけてあげましょう」と、頼んでもいないのにカーチェイス(笑)
すぐ後ろで止めてくれました。後を付けて歩く私は怪しかったよね。
役者さんは森山さんでした。よほど急いでいたのか足がはやくて前にまわることができませんでした。
すれ違った女の子が一瞬とまって振り返り「エ?エ?」って感じで追いかけていくのがおかしかった。
グレーの帽子に白のシャツ(たぶん)、ふくらはぎまでのハーフパンツは黒で、下駄履きというとってもラフなでもおしゃれなかっこうでした。
オマケでした(笑)
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Comment

素敵!!
うわー!うわー!そのタクシーの運転手さんおもしろすぎ!!
でもめちゃくちゃラッキーでしたねー!!
私はさっさとアトムにのって帰っちゃいました(; ̄ー ̄川
ああ、その話、職場の未来君ファンに聞かせてあげたい(笑)
そして素敵な感想でした!
同じもの観たはずなのに、本当に同じもの観たのかなーってくらい素敵な感想でした!
ミモザ☆さんの感想を読んで、
改めて舞台を思い出せて色々感じられて良かったです(^-^)
2007.06.12 21:54 | URL | ray #- [edit]
rayさん
会場の外は人が多くて車が拾えなかったのでゆっくり陸橋を渡って少し歩いてたんですよ。
いや~おもしろかったです。運転手さん自身は森山さんもソニンさんも知らなかったようですが(笑)
メーターも早めに落として「早く降りていきんさい」って・・・
あ、感想楽しんでいただきました?よかった。
もうこういうものは自分の感じるままだと思って当たってるかどうか解りませんが勝手に書かせていただきました~^^えへっ
2007.06.13 00:18 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
森山さん
森山さん、ドラマの「ウォーターボーイズ」で見て以来、いいなあと思っていたんですが、間近でお会いしたのはうらいやましいです!
今回は観劇を見送ったのですが、やはり行っとくべきだったかな・・・とちょっと後悔してます。
あまりにもミモザ☆さんの感想が素敵で♪
そして粋な運転手さんですね。
こういうアクシデントも醍醐味のひとつだと思います。
2007.06.13 10:05 | URL | だいじろう #yrTdUdco [edit]
だいじろうさん
今回は昼間に公演があったので遠慮なく駆けつけることが出来ました。お家に早く帰れるので^^
久しぶりに感性に訴えてくるお芝居だったので嬉しかったです。もうね、ニコニコしながら帰ったんですヨ。重い話だったのにもかかわらずね。
いやほんと偶然とはいえねぇ~ラッキーでした。
2007.06.13 16:01 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
うわー
こういうレポを読んでしまうと、観に行かなかったことを激しく後悔します。うぬぬぬ…うぬぬぬ…ぬぬ…しかも、終演後の森山さんに出くわすなんて!幸運ですね~!森山さんて若いのに土台がしっかりしているのですね。将来が楽しみです。そうそう、以前、「情熱大陸」で森山さんの回があって、その時に駅で通りすがりの若い女性に、突然、なんの断りもなしに写メを撮られたんですよ。でね、森山さんは「あなたもこんなふうに写真撮られたら嫌でしょう?」てその女性に注意したのですよ。私、それを見て、若いけど人間が出来ていると感心してました。
2007.06.13 22:30 | URL | ななみっち #qBpKbO02 [edit]
ななみっちさん
確かにね~何かね一作ごとに揺るぎないものを獲得しておられるような気がしましたよ。
公演後の興奮状態にあったでしょうにさっそうと下駄で足元を踏みしめていかれる姿は漢でしたよ~。思ったよりがっちりとした体でね。
きっとハートもハンサムに違いない!!
2007.06.14 00:09 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
読みました~
ミモザ☆さん、
新納さんが出てるから気になってた舞台です。未来くんがすごく良いと聞いてたし、行けないのが残念でした。
ま、例の?蜷川さんの舞台に行きすぎて(苦笑)、ビンボーやったのが最大の理由ですけど~
でも、やっぱり、新納さんはステキやったのですね!
ミモザ☆さんの感想は、とてもキレイな文章なので、想像力をかき立てられます。観に行きたくなる感想ですよね。
未来くんは、インタビューも関西弁でラフな印象ですけど、しっかりした人なんやねぇ。
また、チャンスがあればって、思います。

あ、ところで、講談社の週刊「日本の仏像」は見てはります~? 3巻まで出てますけど。

2007.06.14 02:07 | URL | まっちゃん #CKyOUH4I [edit]
まっちゃん
感想お読みいただいてありがとうございます^^
いやいや独りよがりな文章でお恥ずかしいです。
森山さんは若いけどほんとうに魅力ある役者さんですね。やはり根っこに人としての大切なものを持っていらっしゃるのだと思います。
ハイ!ぜひ観に行ってあげてくださいっ
♪見てますよ~♪
もうね、ウハウハです(^0^)/ 次号が楽しみで!
もともとお寺自体より仏像が好きなのでこっちに乗り換えちゃいました。
NHKでも番組始まりますね~^^
2007.06.14 08:33 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
今朝からですね
ミモザ☆さん、
ハイビジョンは映らないんで、BS2なら明日からのようですね。仏像に詳しいワケではないけど、同じ仏さまでも、見るたびに印象が違ったりします。見た時にどう感じるかは、その時々の、見る人の気持ちが現れてくるんでしょうね。
たまに(笑)、そんなことを語ってますので、よかったら、私の別ブログにも遊びに来て下さいね~
こちらです → http://blog.goo.ne.jp/uzura1226/
2007.06.15 08:58 | URL | まっちゃん #CKyOUH4I [edit]
まっちゃん
さっそくうかがいましたよ~実の生る樹がたくさんあるのがうらやましいなぁ(それかい!)
仏様とは一日でも向かいあって居たいです。
全然飽きませんね~その前に坐ってると素直に語れる自分になれます。時々亡くなった父や母の顔に見えるときもあります。
2007.06.15 10:07 | URL | ミモザ☆ #- [edit]

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