ミモザの森のチェシャ猫館
好きなこと好きなだけミモザ☆の日々の想いを綴ります    

「ハムレット」山手ゲーテ座公演~感想その④

山さんの集中はこちら側にも伝わってきます。
途中客席の通路もつかうんですが一度お客さんの足に引っかかって、あっと思ったのですが全く意に介さず崩れることもありませんでしたよ。

やはり一番は「修道院へ行け」の場面。
狂気を装うハムレットは本意を隠すために愛するオフィーリアをも欺き
酷い言葉を投げかけて愛想尽かしをする。
畳み掛ける台詞から「修道院へ行け」と振り切る様に叫ぶハムレットの想いが胸を締め付けて思わず胸に手を当てていました。
私はハムレットに心を重ねていましたが、友達はオフィーリアに心を重ねていたそうでやはり愛するものからの酷い言葉に打ちのめされるオフィーリアに同調して胸が痛くて哀しかったといっていました。
誰に心を重ねるかで台詞も立場も思いも違って感じられるんですね。

それから父王の亡霊の言葉に復讐を誓ったハムレットがそれでも迷い苦しむシーン。
狂気を装うハムレットが自分を疑い探る人々と別れ振り向きざま
「やっと一人だ」
の呟きと共に一瞬に表情が変わるんです。
その一瞬の変化の落差が大きくてね。どれだけ自分を偽っているかが伝わってくるんですよ。
山ハムレットのそういう表情の変化も注目していただきたいです。

友達が「ハムレットは過去にとらわれている」という話をしてくれました。
デンマークという国の過去(ノルウェーとの戦い)、父の謀殺、母の裏切り(亡霊の言葉)という過去に縛られているわけです。
どこか過去と良心に縛られるユーリと重なるところがありますねぇ。
拝見できなかった山ユーリの苦悩する姿を思わせましたよ。
結局亡霊も実はハムレットの懐疑心や心の迷いが見せた幻影だったかもしれない。
正義と人としての思いの間で苦しむハムレットを痛々しいほど熱演されています。

偽りの狂気の中で母王妃を追い詰めた時ハムレットの真意を探ろうと隠れていたオフィーリアの父ボローニアスを誤って殺してしまう場面。
事実と犯した罪におののくハムレットの気持ちはきっとここで決まったのでは・・・
過去の清算・・・それも自己の死を賭しての。
迫真のハムレットにほんとうに魅せられたのですが、ひとつ言えば狂気を装うところでは少し張り詰めた力を抜いた山さんのもう一つの持ち味軽妙さが欲しかったなぁと。
ほんとうのハムレットの姿との差がわかりやすかったかもと思います。
王殺しの再現劇を役者に演じさせるころから衣装は白と黒のタンクトップの重ねに変わります。
むき出しのにの腕が男らしくてなんかとてもツボで(@^v^@)
お肌がスベスベでね~(どこ見てんのよぉ~笑)

復讐の連鎖は鏡を挟んでハムレットとレアティーズが入れ替わり復讐する側から復讐される側へと重なっていくのですが演出家の解釈と意図は別にして山ハムレットで最後まで見たかったねと友達と話しました。
それほどだったんですよ。
後半レアティーズに変わってからの山さんはハムレットの繊細さをぬぐって一転、迷いなく復讐に燃える力強さを押し出して演じられます。
それもまたかっこいい。

実は後に前半レアティーズを演じた役者さんと入れ替わるのですが
イギリスから帰ってきた大沢一起ハムレットがあまりに普通に毒気の抜かれたハムレットを演じられたんです。
オフィーリアの死を知る墓堀とのシーンも何の驚きも感慨も感じられず他人事のようでちょっと残念なことでした。
この墓堀を演じられた栗原康子さんは芸達者な方でいろいろな役を演じ分けていらっしゃいました。
女の墓堀というのも珍しいですけどハムレットとの会話も面白かったです。
全体にいえることなんですけれど場面の転換とか設定とかが少しわかりにくいので一工夫欲しいところです。
例えばこの墓掘りの場面も土色の布をガサッと前に置くとかして視的な変化があるといいなと思いました。
観客の想像力の助けのためにも。

やがて破滅の終焉へとお話は展開していきます。
決闘シーンも(短剣orナイフ)緊張感があってかっこいいです。
すべては死をもって償われ、互いに赦しを請い赦して山レアティーズはハムレットの腕の中で息を引き取ります。
ハムレットの遺志で進攻してきたノルウェーの王子フォーティンブラスに王位を継がせることで復讐の連鎖を断ち切るのです。
鏡を柩になぞらえてオフィーリアとハムレットの死せる姿を見せる演出はとても女性らしい演出だなぁと。なぜかとても清らかでした。

わかりやすく楽しかったといいましたけれど(語弊があるかもしれないですが)もともとシェイクスピア劇は貴族のお誕生日とか結婚だとかことあるごと楽しませるために上演されたと聞いたことがありますから
これがほんとうかもしれません。歌舞伎がそうであったように大衆演劇や宝塚がそうであるように。

これから東京公演。いろいろネタバレそしてあくまで個人的な感想ですのでどうぞお許しくださいね。
書き残しも忘れたこともたくさんあると思います。
どんどん進化しているでありましょう東京公演。皆様期待してたくさんご観劇いただきますように願っております。



















スポンサーサイト

Comment

ミモザ☆さん、 レポを有難うございます。
私の中での『ハムレット』は以前、深夜にテレビで放送された、真田広之さんと松たか子さんの『ハムレット』(蜷川幸雄演出)なんですが、もしかしたら、今回の『ハムレット』を観ていたら、きっと以前のそれに取って代わっていたんじゃないかな、とレポを読みながら思いました。
山崎さんは全身どっぷりとハムレットなんでしょうね。
益々、観に行けないことが残念でなりません。
でも、こうして少しでも、その世界が垣間見ることが出来て嬉しいです!!
2007.09.17 20:13 | URL | ななみっち #qBpKbO02 [edit]
すごーい!
ミモザ☆さん、語りつくしましたね!!
いや、まだ語り足りないかもしれませんね(笑)
とにかく山崎さんのハムレットの凄さを感じた今回の公演。
私も、後半のハムレットのあまりの変わりようが、少し残念でした。あまりにも山崎さんの迫力が凄くて、何だかハムレットはどこへ?と思ってしまいました。
今回、ミモザ☆に連れて行っていただかなければ、絶対に観れてませんでした。ありがとうございます~!
2007.09.17 22:02 | URL | さおり #Lh8arD1g [edit]
読んでいただいてありがとうございます~
ええ~?どうしても観劇叶わないですか?
ななみっちさんにはほんとうに山さきハムレットを見ていただきたい!!
こんな山さきさんLifeで見れるかどうか・・・(^^;)
私も自分の舞台と重なり東京公演が見れないのが悔しい。
まとまりのない文ですが少しでも舞台の雰囲気が伝わればうれしいです。
2007.09.17 23:52 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
えへへへ・・・^^
>さおりさん
一緒にいってくださってありがとうございました。いっそう楽しい観劇となりましたよっ!
いやはや語ってしまいましたね~。生意気なことも書いちゃったりしましてホント申し訳ないです。
出来るだけ冷静にと思いましたがやっぱり山さきさんへの愛が邪魔して・・・(笑)
見ごたえのある芝居をほんとうに久方ぶりに見たような気がします。
山さきさんを堪能できてうれしいです。
もっともっといい役で見せていただきたいです。
今回はさおりさんの言葉じゃないですが山さきさんの一人芝居でも表現出来た気がしますね。
2007.09.17 23:59 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
レポありがとうございました!
しっかり読ませていただきました!
見てないけど、なんだか少し見た気分でうれしです。
私もぜひ自分の目で見たかったな~。
迫力を肌で感じたかったです。
ありがとうございました!
2007.09.19 11:19 | URL | だいじろう #yrTdUdco [edit]
>だいじろうさん
長々書いてしまいましたものを読んでいただきありがとうございます。
ハイ、現代に置き換えてあるのでわかりやすいハムレットだったとおもいます。メインでがんばる山さきさんと、その演技力を見ていただきたかったです。
私も舞台に立つものとしてあの集中力は見習いたいです。
2007.09.19 15:49 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007.09.19 19:06 | | # [edit]
>Pさま
自己満足なレポでしたけど、伝わりましたでしょうか~?
あ!!Pさまでしたのね~声を掛けられたのって。
「ビックリ!うれしい!恥ずかしい」かったそうですよ(笑)
ご都合が合わず残念ですね~担当様を超えて一人の役者さんとしてたくさんの方に見ていただきたい迫力の熱演です。

2007.09.19 21:51 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
おつかれさまでした
語りつくされましたね!
膨大なレポありがとうございます!
私も山崎さんのハムレットが見てみたかったなーと思います。
2007.09.20 22:23 | URL | ray #- [edit]
>rayさん
ウザかったでしょ~(笑)
今回は書けんわ・・・と思っていましたが。ちょっと落ち着いて書き始めたら止まらなくなっちゃって。
なまいきなこともいっぱい書いちゃいまして(平謝り)
私も、もう一度観たかったです~(T-T)
2007.09.20 23:57 | URL | ミモザ☆ #- [edit]
ミモザ☆さん、感想いっきに読ませていただきました^^
エ~んv-406 やっぱりますます観に行きたくなりました…
シェイクスピア作品では初めて観たのがハムレットだったので思い入れが強くて、山さきさんの口から発せられる「生きるか死ぬか~」の台詞が聞きたかった…
ブランク・ヴァースという言葉も初めて知りました。とても勉強になりました。それを体現されてる山さきさん、観てみたかったです…。
東京公演完売らしいですし、評判良くて再演てことになるのを切に切に祈るばかりです…
2007.09.28 17:34 | URL | ふう #- [edit]
>ふうさま
感想読んでいただきありがとうございます。
ご観劇叶わないそうですね。(T0T)
追加席が出たと聞いていましたけど、それも完売でしょうか?
残念です。こんなにたっぷり山さきさんの芝居を楽しめることはないかも・・・
でもほんとに、席が完売と聞いてうれしいですっ
横浜からもっと進化していることを期待しております。
2007.09.28 20:40 | URL | ミモザ☆ #- [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://mimozanomori.blog47.fc2.com/tb.php/439-41330acd
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。