ミモザの森のチェシャ猫館
好きなこと好きなだけミモザ☆の日々の想いを綴ります    

『リカ』DVD

走馬灯・・・という言葉に表されていましたけど
やっぱりあの時間の揺れですかね~あれが不安感を増幅します。
幕開きが刑事菅原との会話シーン(原田惨殺)だったのもそうですね。
猟奇殺人事件のおぞましさと恐怖がこれからを暗示するんですよね。
そこからお芝居が始まっていくんだけど最後のシーンが絡んでいましたから
実はもう既に本間は最後のシーンにいるわけなんだなぁと思いました。
そこから本間の後悔の意識と記憶が錯綜しながら次第にストーリーが姿を見せていく。

な~んと言っても『リカ』三枝さんの怪演ですよね!すごいなぁ~。
下手すると滑稽になってしまうでしょ。でもちゃんと『リカ』の背景を感じさせてくれました。
なんかせつなかったなぁ・・・
背負ったものや傷の重さ故の自己の崩壊。
感情もなくブツブツと喋り続けるとか、交わることのない会話とか妄想とか、
異常性は本間でなくても脅えてしまいますがそれは無意識のうちに形成された
『リカ』の最大の自己防衛だったかもしれません。
大なり小なりみんな持ってるよ~そういうの。

あのエスカレートしていく語り口・・・身近にいます、そういう人物。
とくに自分の意見が通らなかったり反論されたりすると自己を否定された・・・
と思うんだろうね。すごく感情が高ぶっていく人。
だんだん理不尽になっていくのに通しちゃう。人を潰しにかかる。
怖いわ~一番怖いのは人間です。
って閑話休題。

緒方さんと富士さんのコンビ(^^)はすごく息が合っていてコント見ているみたいでした。
テンポ抜群によかったですよね。
人物をよく捉えられてて人となりがよく分かりました。
なんか楽しそうにお芝居されてましたがとても力をつけられたなぁとしばし感動。
重くて怖いストーリーの中で沈みそうな気分を和らげてくださいましたね。
後半全員が舞台に出ているところで語る冨士さんの言葉は胸に来ました。

山さんは宇田川さんとの夫婦役、とても息が合って自然でよかったです。
仲良しで年の差もなくて遠慮のない友達夫婦みたいな感じがして微笑ましかったです。
不安に押しつぶされて妻に抱きつく山さんの姿も可愛らしかったですよ~
おもしろいもので相手が甲斐さんになるとまた雰囲気が変わるんですね。
お見合いか紹介で出合って恋愛、いい結婚をした夫婦という感じ。
宇田川さんは大変だったそうですがどちらもあたたかくて素敵な奥さんでした。
幸せな家庭をそこに見せてくださいました。
脚本・演出の‐もとひろさんのおっしゃってた「家族や家庭を描くこと」でグッと現実に
引き寄せら今さらな後悔、幸せがガラガラと崩れていく悲しみが深まりました。
ま~あの山さんの菜友ちゃんを見る目の優しいこと。目がなくなってましたよぉ~^^
菜友ちゃんも元気で屈託なくて可愛いしねぇ。

いつも思うのだけど、山さんの相手に対する想いの深さというか気持ちがストレートに伝わって
素敵なんですね~♪愛があるんですよ。
それにしっかり応えてもらうと観ている私も嬉しくなるという・・・ドンだけ思いいれてんだ(笑)
お友達blogでも『期待を裏切らない方』って書いてくださってましたけど、
役に対していつも誠実でいらっしゃるからでしょう。
最近はもう役というよりその人そのものに思えますもん。

一番はやっぱり台詞の明快さですね。ビシビシ伝わってきます、感情と一緒に。
次第に恐怖に囚われ追い詰められていくのが自分みたいな気持ちに・・・
最初の『リカだね・・・』と後半の『リカだな・・・』の声色の違いがもうねゾクゾクしましたね
でもちょっと最近『こう来るな・・・』と思ったらそう来る感じで・・・どうなのそれって(Aーー;)
それだけ山さん色に染まっちゃってことでしょうか?(苦笑)
そういう意味じゃやっぱり『十二夜』を観たいなぁ・・・『お気に召すまま』以来の道化役、
どう演じられているのか興味津々です。

最後のシーンは好きですね~。語弊があるかもしれないけど聖なる儀式のようだった・・・
リカの本来の姿、もともと持っている精神の清らかさを感じましたね。
ほんと自己中だけど究極の愛。
自分の中にもこんな願いが少し眠っているような気がする・・・っつて
ドSさを露呈してどうする (^^;)☆\(‐”‐)バキッ

まだ眠っているような目を閉じた本間の顔の静けさを観ていると刑事菅原の言葉が蘇って
物凄い恐ろしさに囚われました。胸をかきむしるような・・・
淡々としてなお温かい重松 収さんの声が滲みます。
何も聞こえない何も見えない、声も手も足もない肉の塊としての自分。
闇と沈黙の中に意識としてのみ存在することの酷さ恐怖。
僅かなうちに発狂してしまうのは間違いないけれどそのつかの間正気であることの戦慄。
声にならない悲愴な叫びが耳に響くような気がしましたよ~。

日常のほんの些細なことから不幸が始まりやがてすべてを失い奈落の底に落ちていく・・・
今さらながら自分の人としての弱さと心の闇を思いました。
怖いけど何度見ても新鮮に見入ってしまいます。そのたびにいろんな想いが現れるんですね。
場面転換のスピード感と次第に広がる異常な空気感が想像力をかき回してくれた作品でした。
山さんの新たな挑戦を待ちたいと思います。
そして=もとひろさんの次回作をも期待しております。








スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://mimozanomori.blog47.fc2.com/tb.php/796-52da23cc